開館10周年記念 「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」
2020年 より世界を襲った新型コロナウィルス感染症の流行は、わたしたちの日常を一変させた。横尾忠則もまた外出や人と会うことができず、アトリエに籠って絵を描くことに没頭したのである。新作のモチーフは、中国は唐の時代の僧だった寒山と拾得の姿。奇妙な風貌と奇行で通るこの二人は、実は文殊菩薩と普賢菩薩の化身だったという言い伝えから、これまでも数々の文学や美術に取り上げられてきた。浮世離れした詩人と掃除夫の姿に横尾は何を見たのか。
そして、注目すべきもう一点は横尾自らが「朦朧体」と呼ぶ描画スタイル。近年患っている難聴と腱幹炎がもたらした身体的な感覚の変化は、自由にうねる線や輪郭のゆらぎ、軽やかな色使いとなって作品に現れている。画業40年にして横尾が獲得したこの新たなスタイル。でも実は、過去の作品に何度も現れてきたものだった・・・
本展では、横尾の最新作を,一堂 に展示するとともに、過去の作品をあわせて参照することで、横尾の現在が思いがけなくもこれまでの格闘と模索の成果と巡り合っているのではないかということを考察する。“Forward to the Past”、 つまり「過去へ前進」する最新の横尾忠則を会場でぜひご覧いただきたい。
開催概要
開館10周年記念「 Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」
会期 2022年4月9日~7月18日
時間 10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
会場 横尾忠則現代美術館
住所 神戸市灘区原田通3-8-30
休館 月曜日(※ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)
料金 有料 詳細はホームページにて要確認
URL https://ytmoca.jp/
<関連イベント>
キュレーターズ・トーク(学芸員が展覧会のみどころについて解説)
講師 美術館スタッフ
日時 4月30日、5月28日、6月25日 い ずれも 14:00~ 14:45
会場 横尾忠則現代美術館オープンスタジオ
定員 30名 (先 着順)※ 参加無料
※イベントの詳細や、その他 のイベント情報 につ いては美術館ウェブサイトにて要確認
<同時開催>
YOKOO TADANORI COLLECTION GALLERY 2022 Part1
昨年度の展示では、横尾忠則現代美術館がこの10年間で開催してきたすべての展覧会を振り返り、横尾がデザインしたポスターを一堂に並べたり、また特別展に連動した企画として、本の装丁や挿絵のデザインを紹介するなど、幅広いジャンルにまたがる横尾の活動の一端をご紹介してきた。
2022年度の展示第一弾は、横尾がコレクションをしたマン・レイ(1890-1976)の作品を展示する。ダダイスト・シュルレアリストの芸術家として知られるマン・レイは、オブジェや絵画など多様なジャンルの作品を手がけたが、中でも実験的な構図や技法を試した写真で知られている。横尾はマン・レイが撮った女性の写真シリーズを収集し、制作上のインスピレーションを得てきた。今回はそのシリーズとともに、横尾によるマン・レイをモチーフにした作品もあわせて展示。
会期 2022年4月9日〜7月18日
時間 10:00〜18:00 (入場は閉館の30分前まで)
休館 月曜日 ※ただし月曜が祝日の場合は開館し、翌平日休館
会場 横尾忠則現代美術館 4F 横尾忠則コレクションギャラリー ※2021年3月新設
料金 企画展のチケットと共通
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