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アートと大自然の対話を楽しむ!「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」。関西を代表する芸術祭へ新たなステージ

公募大賞グランプリと兵庫県神戸県民センター長賞のW受賞作品 五月女かおる《食事の風景》 
レポート

                    文=黒木杏紀

神戸のシンボルともいえる六甲山で、今年で第14回となる現代アートの芸術祭「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」が開幕した。2025年には大阪・関西万博が開催予定であり、神戸では神戸空港の国内発着便数が拡大するなど、観光に対する気運が高まりを見せている中、六甲ミーツ・アート芸術散歩は「関西を代表するアートイベント」になるべく、新たなステージへと一歩踏みだした。

本年度より、芸術祭をさらに充実させるための新たな試みを展開している。
① 初めてのテーマ設定「表現の向こう側(にあるもの)Beyond Representation」をした。社会との接続や共生を試みる表現者たちの作品とその先にあるものに目をむける芸術祭となるようメッセージが込められている。
② 招待枠の拡充。今年は招待枠を昨年の22組から32組へと増やし、国内外で活躍するアーティストやベテラン勢を加え見どころを強化した。椿昇や川俣正らのほか、森山未來がキュレーションする「Artist in Residence KOBE (AiRK)」、伊丹豪、尾花賢一、開発好明、中﨑透、船井美佐、光岡幸一らが参加となる。
③ 芸術祭の象徴となる拠点づくりと一部作品の展示期間の延長、また今までにはなかった各会場をつなぐトレイル(遊歩道・山道)沿いのアート作品展示の設置。
④ 現代アートに触れるワークショップなどの新企画も加え、未来の文化芸術を担うこどもたちのサポートにも着手。

今年の会場は、神戸六甲山の9か所(ROKKO森の音ミュージアム、六甲鉱山植物園、六甲ガーデンテラスエリア、六甲ケーブル、トレイルエリア、風の教会エリア、六甲有馬ロープウェー六甲山頂駅、兵庫県立六甲山ビジターセンター、六甲サイレンスリゾート)となる。前回と比較しても展示範囲は広範囲に渡り、全てを回るには2日は必要。その分、山の自然とアートが体感できる機会が増えている。さあ、見どころをチェックしていこう。

|六甲ケーブル周辺

六甲ケーブルは1932年開業。レトロな山小屋風デザインの駅舎のケーブル下駅から開業当時そのままの姿のアールデコ調の山上駅までの高低差493mを豊かな自然を満喫しながら約10分間で駆け登ってくれる。ハイキング初心者の心強い味方である。

「六甲ミーツ・アート芸術散歩」の玄関口となる六甲ケーブル下駅では、ベンチに座るチンパンジーの作品、菅原陸《となりにいてあげる》に出会うはずだ。ケーブルを降りた先では、非日常のスケールで人体を模した轟木麻左臣の作品《ピエロ、ルーレット》が迎えてくれる。あえて頭部をなくすことでどんな表情を持つのか想像を促す。「作品を通して、揺れ動く感情を捉えたい」と轟木は語る。

六甲山上駅にて 轟木麻左臣《ピエロ、ルーレット》

|トレイルエリア

去年までなら、六甲ケーブル下車後、六甲山上を回遊するバスで移動し会場へ向かうのが基本だった。今年は新しいルートが開設され、六甲山上駅からROKKO森の音ミュージアム間の会場を繋ぐハイキングコース「トレイルエリア」にアート作品が展示。歩くことでしか鑑賞できないエリアに7作品が設置されている。

六甲ケーブル 六甲山上駅にて

ここでの注目は、中﨑透による《Sunny Day Light/ハルとテル》だろう。戦前から残る山荘を舞台に、実際に住んでいた人物に丁寧な取材を行い、恋物語を巡回型のインスタレーションに展開した。古民家の内装に少し手を加え、艶やかな色の蛍光灯で室内を照らし、阪神間の上流階級の人たちの遠い過去の夢物語のようなイメージを醸し出した。神戸開港後、六甲山で生み出された避暑地の文化を手繰り寄せた初めての作品といえるかもしれない。

トレイルエリアにて 中﨑透による《Sunny Day Light/ハルとテル》外観

トレイルエリアにて 中﨑透《Sunny Day Light/ハルとテル》内部

木々がうっそうと生い茂る薄暗い山道の途中にあるのが、横手太紀《星のいるところ》である。東京在住の作家が六甲山に降り立ち、そこで見た夜空の星の見え方から着想を得たものである。六甲山に漂う埃、チリ、花粉、小さな虫が繁みに設置された大きなディスプレイに映し出される。傍らで草に同化しうごめくものは、仕留められ残されたあとの鹿の一部、ギミック(仕組み)を入れた彫刻である。

トレイルエリアにて 横手太紀《星のいるところ》

モリン児のインスタレーションは、どこかの空間が突如出現し幻想世界に引き込まれてしまうような、まるで舞台芸術である。モチーフの表現やその色彩は昭和ノスタルジーが漂い、今回も多分にもれず、モリン児ワールドが展開している。

トレイルエリアより モリン児《鱗玉スプートニクのある場所》

1982年にヴェネツィア・ビエンナーレ以降、ドクメンタ、サンパウロ国際ビエンナーレなど世界各国の国際展やグループ展で活躍し続けている川俣正。彼の美しい作品《六甲の浮き橋とテラス》はROKKO森の音ミュージアムの敷地内にある人工池で見ることができる。背景には蓮の葉が並ぶ池とそれを取り囲む樹木、青空、舞台の中央には桜の木が鎮座する。舞台としてコンサート・演劇、能など野外公演が可能で、観客は池の周りのベンチに座り、池に映る催しを鑑賞できる。この場所は、20年前はボート池としてその前はスケートリンクとして使用されてきた。また、以前は蛇が池に住んでいたとか。現在は大きなアオサギがここを根宿にしているのだそう。その歴史と不思議さにどこか神秘性を感じる場所である。

トレイルエリアより 川俣正《六甲の浮き橋とテラス》

|ROKKO森の音ミュージアム

六甲オルゴールミュージアムが2021年に「ROKKO森の音ミュージアム」としてリニューアルオープン。六甲山の癒しの場としてカフェやショップを併設、四季折々の自然に囲まれた庭園とさまざまな音を楽しめる場となっている。ここでは9作品が展示されている。

昼間の太陽の光を集め夜にはやわらかな光を放ち湖面に浮かびあがる、仮想上の植物をイメージした作品《Moon Plants》。宇宙、空、六甲山、池、水槽、水連。蓮はメダカやさかなたちの家。世界は入れ子構造となってレイヤーをなしている。
作家のコニシユウゴは、精力的に活動を行っていることで注目されているアートコレクティブ・山中suplexのメンバーでもある。建築内装や作品展示のプランニングや施工も行い、時には自給自足も実践するなど作品制作は独特なアプローチをしている作家だ。コニシは「作品を通して自然について、そしてその一部である我々の身体がそれらとどのような関係を持っているか、思いを馳せる機会になれば」と語る。

ROKKO森の音ミュージアム コニシユウゴ(たま製作所)《Moon Plants》

ROKKO森の音ミュージアムでは、新しい試みのひとつとして野外展示エリアを新設。4作家の作品が会期終了後も引き続き展示されることになっている。そのうちの2作家を紹介する。

船井美沙は想像と現実の間を行き来する「楽園と境界」をテーマに描く作家である。作品《森を覗く 山の穴》では、六甲山に実在しない鹿を人々の自然に対する畏怖の念の象徴とし、シーボルトが発見した幻の花「七段花」と共に描きこんだ。使用されているステンレスミラーは周囲の景色を取りこんで印象を変えるため、変化する彫刻表現となる。スリットから見える向こう側、ミラーに映りこむ周りの景色。作品と向き合うと実際にはいない鹿が出現し、自分もまた想像上の世界に映りこみ自然と一体になる、その世界観を楽しんでほしい。

ROKKO森の音ミュージアム(野外アート作品展示ゾーン) 船井美沙 《森を覗く 山の穴》

人間の手と自然から作られたものを素材として組合せ、空間を創り出す作家、三梨伸。その土地にあるもの、廃屋の屋根瓦などで見たことのない風景を出現させるダイナミックさを持つ。今回は焼成された陶土の人型と地形のオブジェ、阪神電鉄で使われていた本御影石の敷石で構成された作品を見せてくれた。春からの長期滞在で制作した力作である。

ROKKO森の音ミュージアム(野外アート作品展示ゾーン)三梨伸 《石舞台に立つドリアン王女》

|六甲高山植物園

六甲高山植物園では、北海道南部に相当する冷涼な気候を活かし、世界の高山植物や寒冷植物、六甲山の自生植物など約1500種を栽培、六甲山の四季折々の花や自然の姿、季節の移ろいを楽しむことができる。1933年の開園に当たっては、植物学の第一人者である牧野富太郎博士の指導を受け、1955年には博物館相当施設の認定を受けている。会期は終了しているが開園90周年を記念して「日本植物学の父」牧野富太郎の魅力に迫る特別企画展をROKKO森の音ミュージアムと合同開催していた。このエリアでは7作品が展示、そのうちの3作品を紹介する。

六甲高山植物園入口にて

六甲山高山植物園内に足を踏み入れると、緑の茂みの中からニョキっと突き出した色鮮やかなオブジェが見えてくる。木彫作家の北浦和也の作品《Picnic on Circle Circus》である。六甲山で生まれた木、山上駅展望台のキジのモニュメント、高山植物園の小便小僧、六甲山で昔使われていた看板のキャラクター。少し立ち止まり、作品と周囲の景色をゆったりとした気分で眺めてほしい。新たな循環のイメージが感じられるだろうか。ファンシーでポップでシュール、思わず微笑みがこぼれてしまう作品である。

六甲高山植物園にて 北浦和也《Picnic on Circle Circus》

六甲高山植物園では植物をモチーフにしたアート作品がいくつかある。そのひとつが柴田まお《Camouflage Print》である。模したのはブナの木独特の丸い葉が作り出す木漏れ日。リアルとフェイク、背景もあいまって連続する形やイメージによって見えづらくなる彫刻を、現代の情報社会と重ね合わせた。視覚からの違和感を通じて環境の可視化を試みたものである。

六甲高山植物園にて 柴田まお《Camouflage Print》

透明度と強度の高い700個の水のブロックが、その存在感とともに周囲の風景をゆがめて水のレンズに映し出す。光と風のモビールスケープは近距離の芝生や雨粒、ブロックに移り込む周囲の世界、そして隙間から見える現実世界との対比に揺らぎを生じさせる。遠くで見る、近くで見る時の視点の変化。建築的な要素を多分に含み、実際に触れてみることもできる作品である。

六甲高山植物園 加藤美沙《溢れる》

|六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅

六甲と有馬を約12分間で結び雄大な自然を体感できる六甲有馬ロープウェーの六甲山頂駅。ここでは、切り取った風景を簡素化し解像度を下げモザイク化(ドット化)した、わにぶちみきの作品《Beyond the FUKEI》が空間いっぱいに展示されている。晴れた明るい日と曇りの日の風景画は、私たちが見ているものは何かと問題提起も孕んでいるのだという。作品と背景に見える景色との対比も興味深い。

六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅にて わにぶちみき《Beyond the FUKEI》晴れた明るい日

六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅にて わにぶちみき《Beyond the FUKEI》曇りの風景

|六甲ガーデンテラスエリア

ヨーロッパ調に統一された六甲山の展望複合施設。明石海峡大橋から関西空港までの絶景が見渡せる展望塔をはじめ、レストラン、カフェなど充実した設備があるエリアは夜景スポットとしても大人気である。ここでは5作品展示のうち、3作品を紹介する。

六甲山頂駅を後にし小径に入るとすぐ、緑を背景に色鮮やかな作品、ノセレーナの《ピョンコス》がずらりと立ち並ぶ。「見えるものは全て色と形の組合せ、一般的な概念や定義をぴょんぴょんと飛び越え、驚きや喜びを与えてくれる。既成のイメージを越えたポップでナンセンスな世界を切り開きたい」と作者。

六甲ガーデンテラスエリアにて ノセレーナ《ピョンコス》

小径を抜け突如出現するのは、どこか懐かしいフォルムの鉄の巨大オートバイク、橘宣行の《フライングギドラ》。自身の作品を、昭和40年代の子供文化のオマージュでありエンターテインメント彫刻だと述べる。造形はかつての漫画やアニメからの影響を受け、そこには驚きと発見と好奇心に満ち溢れた童心を蘇らせてくれる。そのエネルギーをぜひ感じ取ってほしい。

六甲ガーデンテラスエリアにて 橘宣行《フライングギドラ》

大阪湾まで一望できる山上に来ると、両手を広げたような形の作品に遭遇する。作品タイトルは《case》。美大の大学院で彫刻を学ぶ作家の武田真佳は、この不定形な立体を容器として制作、「case(ケース)」と名付けた。モノを入れる行為自体に異なる世界線を生み出せるのではと問う。

六甲ガーデンテラスエリアにて 武田真佳《case》

|風の教会エリア

安藤忠雄が設計を手掛けた「水の教会」「光の教会」と並ぶ「教会三部作」のひとつが、六甲山上にあるこの「風の教会」である。もともと六甲オリエンタルホテルの結婚式場として建設されたが、2007年にホテルが閉鎖され取り壊された後も、風の教会だけは残され六甲山中にひっそりと佇んでいた。
「六甲ミーツ・アート芸術散歩」会期中でなければ、中に入ってみることはできないので必見の場所である。風の教会が位置するエリアでは六甲芸術センター、旧グランドホテル六甲スカイヴィラ、山上、六甲芸術劇場など各所合わせて最多の12作家が展示されている。そのうちのベテラン勢2名を紹介する。

六甲の変遷を見つめてきた旧グランドホテル六甲スカイヴィラは1970年に創業、所有者が変わりながらも約50年間営業を続け、惜しまれながら昨年11月に休業した。
そのロビーでは、場にそぐわない粗末な掘立て小屋が置かれている。回り込んで中を覗くと西洋風の部屋に2体の女性フィギュア。これは関本幸治が《小さな死》と題する1枚の写真を撮るために空間を丸ごと三年かけて制作したインスタレーションである。時代に合わせて変容する価値観に興味を持ち、女性が飲食をサービスする姿や頭の上に本を載せて歩く姿を、時代の象徴のひとつとして捉えた。外観にはそのプロセスや制作ノートなどを張りめぐらせた。この写真とインスタレーションで関本は第26回(2022年度)岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞している。
関本はインスタレーション作品に《1980年のアイドルのノーバン始球式》とトリッキーなタイトルをつけた。これはかつて実際のプロ野球の始球式でアイドルの投球がノーバウンドでキャッチャーに届いた稀な事例から、ネット民が誤読を前提(ノーバン→ノーパンの読み違えでクリックさせるため)に「アイドルのノーバン始球式」と使い始めたことに由来するもの。言葉や価値観は時代によって変化していくものであり、このような奇をてらったものは「将来的に禁止用語やモラルに反するようになり、使えなくなるのでは」と作者は予想する。
また、ロビー内にも写真作品が多数展示。(写真を撮られると)魂が吸い取られるといわれた明治時代の4姉妹の姿、日中戦争がはじまった1938年の軍服とドレスのカップルを想定したものなど、写真の中の空間構成に同じカーペットを使用することでフライングカーペットに乗って時空を旅する概念を取り込んだものである。

風の教会エリア 旧グランドホテル六甲スカイヴィラにて 関本幸治《1980年のアイドルのノーバン始球式》内部

風の教会エリア 旧グランドホテル六甲スカイヴィラにて 関本幸治《1980年のアイドルのノーバン始球式》外観

南仏プロバンスの「セナンク修道院」に影響を受け、すりガラスの半透過の大きな窓にコンクリート打ち放しの教会の空間を、椿は檻に例えた。その内部に囚われているのは「空気の彫刻」、ゴリラをモチーフにした銀色の巨大な《Daisy Bell》である。頭にのせたデイジーの花のオブジェは類人猿がホモサピエンスになるまでの過程を示す。また、正面にある十字架にお尻を向けるゴリラは、教会に懐疑的なメッセージを伝えているようだ。タイトル名は1961年にコンピューターIBMが初めて歌った歌から引用、「テクノロジーの手先として暴走するホモサピエンスの根源的な疑問」を投げかけた。

風の教会にて 椿昇《Daisy Bell》

|兵庫県立六甲ビジターセンター(記念碑台)

瀬戸内海国立公園六甲山の魅力や情報を発信する六甲ビジネスセンターでは、山の歴史や自然、生き物について映像やパネル、はく製などで紹介。展望デッキからは神戸の市街地や神戸空港が一望できる。また、六甲ビジネスセンター前広場には、六甲山開山の祖である英国人のA.H.グルームの記念碑が建てられている。神戸港開港後の居留地に住み、当時登山道も十分になかった時代に私財を投げ打ち現在の六甲山への道筋を作った重要人物である。ここ六甲ビジターセンター前の広場では8作品が展示、そのうち2作品を紹介する。

兵庫県立六甲ビジターセンター(記念碑台)にて A.H.グルーム記念碑

A.H.グルームの記念碑の傍らに大きな土のオブジェが鎮座する。大学で医学を学び、同時に生物学の研究を行う傍ら建築を学ぶ異色のアーティスト川本亮である。中南米で見られる蟻塚から着想を得た《六甲の蟻塚》は、土や木くずを材料にした時間とともに風化し形を変えていきつつ、遥か中南米に思いが馳せる作品である。現地中南米の昆虫ヒカリコメツキムシを模した夜のライトアップは見どころの一つである。

兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)にて 川本亮《六甲の蟻塚》

牧草を食む牛の半身がおぼろげに空に浮いたように見える作品は、2023年度の公募大賞グランプリと兵庫県神戸県民センター長賞のW受賞をした五月女かおるの作品《食事の風景》である。地図上では分からない地表の揺らぎや動物が食用に加工される過程など、人が抵抗無く受け入れている当たり前の事象を、振り返るための表現として、見辛さのある作品をあえて制作したと語る。

兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)にて 五月女かおる《食事の風景》

上記で紹介した以外にも新たな取り組みとして、2023年9月23日から11月23日の期間限定で、ROKKO森の音ミュージアム、六甲山植物園を舞台に「ひかりの森~芸術散歩」が繰り広げられる。光や映像を用いた作品を多く手掛けるアーティスト・高橋匡太によってROKKO森の音ミュージアムが《ひかりの実》で彩られ、また六甲高山植物園内をラリー式で回る参加型の作品が今年も登場。他にも、赤坂有芽が夜の植物園に浮かび上がる映像インスタレーション作品を導入するなど、会場の作品がライトアップされ昼間とは違った幻想的な表情が楽しめる。

[詳細はこちらにて]

「ひかりの森~芸術散歩」イメージ

今回の「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」のコースは従来の展示会場に加えてトレイルエリアが設置されることでぐんと様変わりした。必然的に山道を歩く距離が長くなり、いつもと異なる「六甲山」、そして「六甲ミーツ・アート芸術散歩」にあちこちで出会えるはずだ。加えて、六甲山の土地の記憶と歴史にも踏み込む作品が出てきたことはとても興味深い。関西を代表する芸術祭への大きな一歩の足掛かりとなることだろう。晩夏から初冬にかけて実にさまざまな表情を見せてくれる神戸のソウルマウンテン。その時々で移ろい織りなす六甲の自然とアート作品を堪能したい。

【概要】

「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」
(六甲山上の9会場/参加作家49組)
◾️テーマ:表現の向こう側(にあるもの) Beyond Representation
◾️会期:2023年8月26日(土)~11月23日(木・祝)
◾️時間:10:00 〜17:00
※会場により 営業時間が異なります。 17 時以降も鑑賞できる作品あり。
◾️休日::会期中無休
※六甲サイレンスリゾートのみ8~10月は月休、月・祝の場合は火に振休。
◾️料金:当日パスポート2900円、ナイトパス付鑑賞パスポート3900円、ほか。
※9会場のうち5会場は無料。他にも無料の展示あり

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