関西では17年ぶり、巨匠・福田平八郎の大回顧展「没後50年 福田平八郎」
本展は日本画家・福田平八郎(明治25 年[1892]~ 昭和49年[1974])の 没後50年の節目に開催する大規模な回顧展となる。大分市に生まれ、大正から昭和にかけて京都で活躍した平八郎は、近代日本画の新境地を拓いたとされる《漣》(重要文化財、大阪中之島美術館蔵)をはじめ、色や形、視点や構成に工夫を凝らした数々の作品を発表し、独自の芸術を確立。
関西で17 年ぶりの回顧展となる本展では、《漣》や《竹》(京都国立近代美術館蔵) 、《雨》(東京国立近代美術館蔵)などの代表作を含む、初期から晩年までの優品を一堂に展示し、平八郎の画業を広く紹介する。
また、《漣》に代表される、平八郎が幾度となく挑戦した水の表現に注目した特集展示や、「写生狂」を自称した平八郎が描いたスケッチや素描の数々を大分県立美術館の充実したコレクションにより展覧し、創作のプロセスや、彼が目指したものに迫る。
モダンで、カラフルで、研ぎ澄まされていながら、チャーミングで親しみやすい平八郎の作品は、現代の私たちにも新 鮮な驚きと感動を与えてくれるだろう。
【開催概要】
展覧会名:没後50年 福田平八郎
会期:2024年3月9日[土]~5月6日[月休]
前期=4月7日[日]まで/後期=4月9日[火]から
※会期中に展示替えあり
会場:大阪中之島美術館 4 階展示室
休日:月曜日(4/1、4/15、4/22、4/29、5/6は開館)
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
問い合わせ:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
【見どころ】
1 関西では17 年ぶり、大阪の美術館では初の回顧展
2 大阪中之島美術館では初めての日本画家の回顧展
3 初期から晩年まで 、画業を一望する120 件以上を展 示
4 重要文化財《漣》をはじめ《竹》(京都国立近代美術館蔵)、《雨》(東京国立近代美術館蔵)など代表作が集結
5 大分県立美術館以外では初めての公開となる《雲》(大分県立美術館蔵)が登場
6 画家の瑞々しい感動を伝える写生帖や素描も多数紹介
【福田平八郎略歴】
福田平八郎は、明治25年(1892)2月28日、大分市に父・馬太郎、母・アン(安)の長男として生まれる。18歳のとき、苦手の数学で旧制大分中学校3 年の留年が決まったことから画家の道を志し京都へ 出た。
京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で学びながら文展に出品をつづけていた平八郎だが、転機を迎えたのは卒業後の大正10年(1921)、第3回 帝展に出品した《鯉》が特選をえた上に宮内省買い上げとなり、若くして京都画壇の寵児となる。このとき「画家として一人前になってから」と保留にされていた谷口テイとの結婚を許されたため、鯉を描いて恋を得たと話題になった。
そして昭和7年(1932)には第13回帝展に《漣》を出品。当時はそのあまりの斬新さに賛否両論が巻き起こり、浴 衣の模様のようだといった批判も起こったが、後に平八郎の画風の特徴を示す代表作とされ、平成28年(2016)に は重要文化財に指定される。
戦後も新しい表現に挑戦し活躍をつづけるなか、昭和36 年に文化勲章を受章し、大分市の第1号名誉市民にもなる。この年を最後に官展への出品を止め、以後は画廊や百貨店の主催する小展覧会に自由な作品を発表するようになった。
昭和49年3月8 日に国立都病院に入院、同月22日に気管支肺炎のため82歳でこの世を去る。そのお墓は、京都鹿ヶ谷・法然院と大分市・西応寺にある。
この記事へのコメントはありません。