コレクション展 2022 -夏秋 特集:1960s ‒1980s 関西の現代美術「再見」

森村泰昌《だぶらかし 肖像 C》1988年 写真 和歌山県立近代美術館蔵
展覧会情報

 1963 年に和歌山城内で開館した和歌山県立美術館を前身とする当館は、日本で 5番目となる国公立の近代美術館として、1970年11月、県民文化会館の 1 階に開館。そこで 23年あまり活動したのち1994年に現在の建物へと移転し、展示収蔵環境を拡充させミュージアムとしての活動を続けている。和歌山ゆかりの作家についての展覧会と収集を中心に、現在はその範囲を国外にまで広げ、日本画、洋画、彫刻、版画など、総数 1 万点を超える作品を収蔵するに至る。
 コレクション展では、所蔵品を通じて幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、さまざまな特集コーナーを設けながら作品の紹介を続けている。今回の特集では、和歌山県立近代美術館が開館した1970年前後に制作され、当館に結集したコレクションで、その現代美術の現場を「再見」する。
 1960年から1980年代にかけて、京都や兵庫、そして和歌山をはじめとする関西の「近代美術館」で、数多くの現代美術展が開かれた。これらの展覧会に出品された作品群は、当時の果敢な美術家たちによって生み出され、従来の表現の枠を超える新たな地平を切り開くものだった。しかしここには、すでに戦前から「前衛」活動を展開していた作家たちが加わっていたことも見逃せない。
 また、同時代美術は、その宿命として、当時まだ理解されることもなく、今日ほど評価されていたわけではない。若い作家たちが競うように出品していた美術館の展覧会会場も来館者は少なく、批判を超えなければならない時代でもあった。
 それから半世紀近くを経て、ようやくかつての作品が生み出された時代が再考できるようになった。和歌山県立近代美術館は、1983年から「関西の美術家シリーズ」展を開催し、関西の最前線の動向を紹介して、いち早くこれらの作家たちの作品収集にも着手していた。そこで今回の特集展示では、「⒈ 戦前の『前衛』からの持続」「⒉ 『近代美術館』の誕生と『現代美術』の動向」「⒊ 1970 年代の新たな展開」「⒋ 1980 年代への持続」の4章構成で「再見」するとともに、当館所蔵の戦前の「前衛」作品もあわせて紹介する。

展覧会概要

コレクション展 2022ー 夏秋 特集:1960s ‒1980s 関西の現代美術「再見」
会期:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
会場:和歌山県立近代美術館 1階展示室
住所:和歌山市吹上1-4-14
時間:9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
公式サイト:https://www.momaw.jp/
問合せ:073-436-8690 (和歌山県立近代美術館)

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