なつやすみの美術館 12 妻木良三「はじまりの風景」

妻木良三《ZONE I》2017-2022年 鉛筆、紙 個人蔵
展覧会情報

 さまざまな美術の楽しみ方を体験する「なつやすみの美術館」シリーズ。12 回目のゲストは、和歌山県湯浅町出身の美術家・妻木良三(1974‒)。
妻木の作品には、波や雲、海岸や山を思い起こさせる柔らかなかたちが、主に鉛筆を用いて描き出されている。それらは具体的な情景というよりも、どこかであり/どこでもない、時間や場所の制限を超えて存在する原初的な世界への入口であるようにも感じられる。
 こうした世界へのつながりを、妻木は日々ため池のほとりや浜辺を歩くなかで見つける化石や骨、ウニの殻など、さまざまな自然物のなかにも見出す。イメージの源泉としての自然と原初的な世界の共通点。妻木が見つけた「はじまりの風景」を、当館所蔵品とあわせて紹介する。

妻木 良三[つまき りょうぞう]
 1974年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。1998年より鉛筆による絵画を描き始める。東京での活動の後、2008年に和歌山県湯浅町に帰郷、自坊の本勝寺で僧職を務めながら研鑽を重ねる。主な 個 展 に 2011年「ZONE」(Onomachi α、和歌 山)、2013年「幻 標」(梅 香 堂、大阪)、2017年「渚にて」(KUGURU、山 形)、2020年「穴に絵をならべる」(みなべ町海岸、和歌山)。また2006年「VOCA展 2006」(東京都美術館)、2007年「線の迷宮Ⅱ-鉛筆と黒鉛の旋律」(目黒区美術館)等に参加。1999年武蔵野美術大学卒業制作展三雲祥之助賞、2016年度和歌山県文化表彰文化奨励賞を受賞。

展覧会概要

なつやすみの美術館 12 妻木良三「はじまりの風景」
会期:2022年7月5日(火)~9月4日(日)
会場:和歌山県立近代美術館 2 階展示室
住所:和歌山市吹上1-4-14
時間:9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
公式サイト:https://www.momaw.jp/
問合せ:073-436-8690 (和歌山県立近代美術館)

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