喜多俊之展 TIMELESS FUTURE

《TAKO》 1971年 スティレライフ
展覧会情報

日本とイタリアを拠点に活躍するプロダクト・デザイナー、喜多俊之(1942-)の展覧会が西宮大谷記念美術館で開催されている。

有機的なフォルムを持ち、人間の動きに寄り添うようにパーツを動かすことのできる椅子《WINK》は、イタリアで発売されるやいなや、一躍人気を博し、“Toshiyuki Kita” の名を世界に広めた。2001 年に発表された《AQUOS C-1》は、テレビの新しい形を提案すると同時に、新時代のライフスタイルにも影響を与えた。自由な感性に溢れる喜多のデザインは国境を超えた価値観を有し、日本のみならず世界各国で認められており、ニューヨーク近代美術館やポンピドゥー・センター(パリ)などにも収蔵されている。
時代を予見する新しいデザインを生み出す一方で、喜多は日本の伝統工芸の持つ力に敬意を払っており、美濃和紙を使った《TAKO》は、和紙の強靭さとその特性をうまく使用した照明としてヨーロッパを中心に大ヒットし、和紙の素晴らしさを世界にアピールした。喜多は伝統工芸の保存のため、現代の暮らしの中で違和感なく永続的に伝統工芸が使われるためのデザインを提案してきた。またサスティナブル(持続可能)な社会への取り組みとして、地域に根ざした素材の活用も近年の喜多のデザインにおける大きなテーマである。


喜多のデザインの根底には、「素敵な暮らし」への願いがこめられている。現在を生きる私たちだけでなく、未来に生きる人々が「素敵な暮らし」を共に楽しむため、この展覧会が「今、私たちが考えなければならないこと」のヒントになることを願う。

《二畳結界》 1986年 大向高洲堂

Image 2 of 5

Information

名 称:喜多 俊之 展  TIMELESS FUTURE
会 期:2021年10月9日~2021年12月5日
時 間:10:00~17:00 (入場は閉館の30分前まで)
休館日:水曜日(ただし11月3日(水・祝)は開館、11月4日(木)休館)
会 場:西宮市大谷記念美術館
※詳細は美術館ホームページにて要確認

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

error: